マルハニチロ株式会社は、日本を代表する総合食品企業であり、水産物の漁獲・養殖から加工食品の製造・販売まで幅広く手掛けています。2025年3月期第2四半期(2024年4月~9月)の連結決算では、売上高は前年同期比4.5%増の5,073億円となりました。しかし、経常利益は25.0%減の156億円と減益となっています。
この減益の主な要因として、原材料費や物流費の上昇、円安による輸入コストの増加が挙げられます。特に、海外からの原材料調達に依存する製品群では、為替の影響が大きく、コスト増加が利益を圧迫しました。
セグメント別に見ると、主力の水産事業では、国内外での需要は堅調であったものの、漁獲量の減少や燃料費の高騰により、利益率が低下しました。一方、食品事業では、冷凍食品やレトルト商品の売上が伸長し、家庭内需要の高まりを受けて好調な推移を見せました。
通期の業績予想に関しては、売上高1兆500億円、経常利益320億円、当期純利益220億円を見込んでいます。上期の進捗率は売上高で48.3%、経常利益で49.0%となっており、下期に向けての巻き返しが期待されます。
株価の推移について、2024年12月30日時点での終値は3,037円となっています。年間の配当は100円を予定しており、配当利回りは約3.27%です。
今後の展望として、マルハニチロは海外市場の開拓や新商品の投入、さらには生産効率の向上を図ることで、収益性の改善を目指しています。特に、アジア市場でのプレゼンス拡大や、健康志向に対応した商品の開発に注力しています。
一方で、原材料費の高騰や為替変動、さらには気候変動による漁獲量の変動など、外部環境のリスクも存在します。これらのリスクに対して、同社は調達先の多様化やコスト管理の徹底、さらにはサステナビリティへの取り組みを強化しています。
総じて、マルハニチロは厳しい経営環境の中でも、事業の多角化とグローバル展開を推進し、持続的な成長を目指しています。投資家としては、同社の中長期的な戦略と市場環境の動向を注視し、適切な投資判断を行うことが求められます。