2024年10月31日、Appleは2024年度第4四半期(7~9月)の決算を発表しました。同四半期の売上高は949億ドル(約14兆4000億円)に達し、前年同期比で6%の増加となり、7~9月期として過去最高を記録しました。
iPhone販売の好調
iPhoneの売上高は462億ドル(約7兆円)で、前年同期比5.5%の増加を示しました。これは、9月に発売されたiPhone 16シリーズの好調な販売が寄与しています。iPhoneは依然としてAppleの総売上高の約半分を占める主力製品であり、その需要の強さが全体の業績を押し上げました。
サービス部門の成長
サービス部門の売上高は250億ドル(約3兆8000億円)で、前年同期比12%の増加となり、過去最高を更新しました。App Store、Apple Music、iCloudなどのサービスが引き続き好調であり、同部門の成長を支えています。
地域別の売上動向
地域別では、日本での売上高が59億2600万ドル(約8800億円)となり、前年同期比8%の増加を記録しました。一方、中国市場では売上高が前年同期比でほぼ横ばいの150億3300万ドル(約2兆2300億円)となり、競争の激化が影響したと考えられます。
特別損失による純利益の減少
純利益は147億3600万ドル(約2兆1900億円)で、前年同期比36%の減少となりました。これは、欧州一般裁判所による国家補助の判断の取り消しに関連する特別損失が影響しています。この特別損失を除外した場合、希薄化後の1株当たり利益は1.64ドルで、前年同期比12%の増加となります。
新製品とAI技術の導入
当四半期中、AppleはiPhone 16シリーズ、Apple Watch Series 10、AirPods 4などの新製品を発表しました。特に、AI技術を活用した「Apple Intelligence」の初期機能をリリースし、プライバシーを重視したAI機能の提供を開始しました。これにより、ユーザー体験の向上と新たな需要の喚起が期待されます。
今後の展望
Appleは、ホリデーシーズンに向けて強力な製品ラインナップとサービスを提供し、さらなる成長を目指しています。特に、AI技術の活用や新製品の投入により、ユーザー基盤の拡大と収益の多様化を図っています。しかし、地政学的リスクや市場競争の激化など、外部環境の変化にも注意を払う必要があります。
全体として、Appleは主力製品であるiPhoneの販売好調とサービス部門の成長により、過去最高の売上高を達成しました。一方で、特別損失による純利益の減少や地域別の売上動向など、課題も浮き彫りとなっています。今後の戦略として、AI技術の活用や新製品の投入を通じて、さらなる成長と収益の多様化を図ることが求められます。