Metaの最新決算報告を分析:AI投資と広告戦略が牽引する成長と課題

2024年10月30日、Meta Platforms(旧Facebook)は2024年第3四半期(7~9月)の決算を発表しました。同社は売上高405億8,900万ドル、純利益157億ドルを計上し、前年同期比でそれぞれ19%、35%の増加を示しました。この成長は、主に広告収入の増加とAI技術への積極的な投資によるものです。

 


広告収入の復調

 


Metaの売上高の大部分を占める広告収入は、前年同期比で18.7%増の398億8,500万ドルとなりました。これは、同社のプラットフォーム全体でのデイリーアクティブユーザー数が前年同期比5%増の32億9,000万人に達したことが寄与しています。特に、アジア太平洋地域での売上高は前年同期比15%増加しており、地域別の成長も顕著です。

 


AI技術への積極的な投資

 


MetaはAI技術の開発に注力しており、2024年の設備投資見通しを当初の370億~400億ドルから380億~400億ドルに引き上げました。これは、AIインフラストラクチャーの強化が必要であるとの認識によるものです。マーク・ザッカーバーグCEOは、「MetaのAI投資には引き続き本格的なインフラが必要であり、そこにも引き続き多額の投資をしていくつもりだ」と述べています。

 


Reality Labs部門の課題

 


一方、ARおよびVR部門であるReality Labsは、売上高2億7,000万ドルに対し、営業損失44億ドルを計上しました。同部門は2022年6月以降、毎月10億ドル以上の損失を計上しており、Metaは「Reality Labs部門は引き続き製品開発やエコシステムの拡大を進めるため、2024年全体の損失は前年より大幅に増えると予想している」と述べています。

 


今後の展望と課題

 


Metaは、AI技術の進化と広告戦略の強化により、引き続き成長を目指しています。しかし、Reality Labs部門の継続的な赤字やAIインフラへの多額の投資が収益性に与える影響は、投資家や市場から注視されています。今後、これらの投資がどのように収益に結びつくかが、Metaの持続的な成長の鍵となるでしょう。